風立ちぬ 公式サイト
『風立ちぬ』を観てきたので、感想をば。
一言で表すとしたら、ちょっとしたファンタジー映画を観たなぁである。
飛行機を設計する人物の物語であるから、もっと現実的な硬い印象があったのだがそこはジブリということか。
本筋は、飛行機を夢見る男の物語を縦糸としてそこに菜穂子との恋愛模様を横糸として展開させている。
王道的なものである。
以下、覚えてて気になったところを箇条書きにて。
・主人公の印象は優等生なのび太だね。
・主人公の声、庵野監督だけどそこまでいうほど気にはならなかった。
しかし、この物語がある意味起伏に乏しい要因となっているのは否めないな。
展開上盛り上がっている場面なのに、盛り上がりきれないような感じを受ける。
人間味が薄い感じがある。
むしろ、本庄や黒川さんのほうが人間味溢れていると思えるほどだ。
・日本の大正から昭和を描いているはずなの違う国を見ているような。
設定だけもらって描かれている感覚を受ける。
背景などが写実的ではなく、アニメ調に描かれるから昔話というかおとぎ話を観ているようだった。
特に最初の地震などの演出は完全にアニメ風で、ちょっとあれだったしね。
・唐突に夢というか想像の世界に入り込んでいくのは、流石に上手い手法だな。
これがあるから、観ていて飽きないし冗長にならずにすむのであろう。
・マイナス要素を極力見せないようにしているような。
例えば、飛行機実験で失敗したところや菜穂子のことなど。
直接見せず(言わず)に展開させている。
・若干、菜穂子との恋愛要素は蛇足かなと思った。
でも、これが無いと展開に起伏が無くて一つで終わってしまうか。
・菜穂子との関係も甘酸っぱいものではなく、妙に淡々としていたな。
キスシーンもこれまでのジブリにすれば多いのに、あまり肉感的になっていなかった。
とりあえず、覚えている範囲でかいてみました。
『紅の豚』をイメージしていくと、ちょっと違うね。
2時間あっというまに過ぎてしまったので、それなりに面白い映画になっている。
感想をみると大人向けといわれるが、子供が見ても十分楽しいのではないだろうかね。
ただ、話のオチがなんとやだね。
宮崎駿のある意味、描きたかった妄想を観たのであろう。